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配置転換や人事異動を命じた社員に拒否された場合、それを理由として懲戒処分することは可能ですか?

日時 2017.12.04
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契約等に照らして有効な命令を拒否されたのであれば一定の処分ができる場合もありますが、その場合にも慎重な対応の検討が必要になります。

配置転換等が命令できる前提

配置転換や人事異動は、勤務地や業務内容に大きな変動が生じうる点で、労働者にとって大きな影響が出るものです。そのため、配置転換等は無条件には命令できず、契約書や就業規則、労働協約等において、使用者が配置転換等を命令できることが定められている場合にはじめて認められます。使用者にとって、業務の状況に応じて人員を動かす必要が生じることは多いですので、一般的には就業規則等で配置転換等を命じられるように定めている会社が多いです。

  なお、就業規則等で命令できる権利を定めている場合でも、問題となる労働者との雇用契約で勤務地や業務内容を限定していたときには命令ができない場合もあります。

濫用的な配置転換等の禁止

配置転換等は労働者の生活等に与える影響が大きいため、上述のように契約等で配置転換等を命令できるとしていても、命令の内容が濫用的な場合には判例上、命令の効力を否定される場合があります(東亜ペイント事件(最二判昭和61年7月14日労判477号6頁))。

  具体的に配転命令等が濫用的とされるのは、①命令に業務上の必要がない場合、②不当な動機や目的に基づいて命令されている場合、③命令によって労働者に受忍限度を超える不利益が生じる場合等、命令の効力を否定すべき特段の事情がある場合です。

  例えば、移動先にそれほど業務がなく、そもそも異動を命じるだけの業務上の必要がないのであれば、①に当たる場合が考えられます。また、異動を命じるだけの業務上の必要があっても、主たる目的が退職勧奨を断った労働者への嫌がらせ等不当な目的に基づくときには②に当たる場合が考えられます。このほか、介護や養育をしなければならないものを過剰に遠方に移動させ、私生活に重大な影響が出るとき等であれば③に当たるとされることもあります。

  こうした濫用的な命令に当たると解された場合には、就業規則等で命令権が定められている場合であっても、命令の効力が否定されることがあります。

有効な配置転換等が拒否された場合の措置

上述のように、配置転換等を命じる権利が契約等に定められており、かつ、命令の内容が濫用的でもないのであれば、配置転換等は使用者から労働者に対する一般的な業務命令の1つとして認められることになります。そして、こうした有効な業務命令として配置転換等が命じられたにも関わらず、労働者が正当な理由もなしに拒絶をするのであれば、使用者内部の秩序等にも影響が生じかねませんので、一定の注意や処分等を検討する必要が出てきます。

  もっとも、例えば懲戒処分等については、訓戒,減俸,出勤停止,解雇等様々な種類がありますが、処分内容が課題であると判断されると処分の効力が否定される場合があります。また、処分に当たって、手続等を踏んでいない場合にも処分の効力が争われたり、否定される場合があります。

  そのため、命令拒否に対して一定の処分を行う場合にも問題行動に見合う内容となっているか、また、必要な手続をきちんと踏んでいるか等慎重に判断をする必要があります。

  このように、配転命令等を有効に行うにはいくつかの前提条件があり、また、命令違反に対して一定の処分を行う場合にも慎重な対応の検討が求められます。

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