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解雇・残業代・組合対策など労働審判のご相談は中村・安藤法律事務所(三越前駅・新日本橋駅徒歩1分)までご相談ください。

マタニティハラスメント訴訟

最近、ニュースにもなったマタニティハラスメント訴訟をご紹介します。

判決によると、原告の女性は、平成6年3月21日から被告の医療介護施設で理学療法士として勤務していました。平成18年2月12日には患者宅を訪問してリハビリを行う訪問リハビリチームの副主任となりました。

その後,原告は、平成20年2月ころ第二子を妊娠し、労働基準法65条3項に基づく、軽易な業務への転換を自ら要求し、病院リハビリ業務に異動しました。この異動に際し、副主任を免ずる旨の辞令を受けました。

産休、育休を経た平成21年10月原告は職場に復帰しましたが、復帰後、訪問リハビリ業務に配置されましたが、復帰後の職場には第三者が副主任として勤務しており、従前の副主任の地位に任ぜられないことを知り、これを不服として強く抗議し、本訴提起にいたりました。なお、副主任には管理職手当として月額9500円が支給されていました。

最高裁第一小法廷は、平成26年10月23日、本件について、「一般に降格は労働者に不利な影響をもたらす処遇であるところ、上記のような均等法1条及び2条の規定する同法の目的及び基本的理念やこれらに基づいて同法9条3項の規制が設けられた趣旨及び目的に照らせば、女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は、原則として同項の禁止する取扱いに当たるものと解されるが、当該労働者が軽易業務への転換及び上記措置により受ける有利な影響並びに上記措置により受ける不利な影響の内容や程度、上記措置に係る事業主による説明の内容その他の経緯や当該労働者の意向等に照らして、当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき、又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって、その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして、上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは、同項の禁止する取扱いに当たらないものと解するのが相当である。」と判示し、原告の請求を棄却すべきとした原審の判断を破棄し、本件を原審に差し戻しました。

本件の判旨では、「妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる措置を原則として均等法の禁止する取扱いに当たるもの」と判示し、例外的に同項の禁止する措置にあたらない場合を、

  • (1)当該労働者につき自由な意思に基づく承諾(承諾したものと認められる特段の事情)
  • (2)事業主において円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性があり、その必要性や当該労働者に与える影響の内容や程度に照らして均等法の趣旨及び目的に実質的に反しないと認められる特段の事情が存在するとき

と判示しました。

その上で、本件について上記(1)について、自由な意思に基づく承諾を認めるに足りる合理的な理由が存在しない、(2)については、充分な審理判断を尽くしていないと判示し、原審に差し戻しました。

産休・育休中の人員の配置について、会社側からすれば人事考課については本来会社に広範な裁量が認められるところですので、復帰後に同じポジションの従業員がいないのであればまだしも、産休・育休中に当該ポジションに合理的な人員配置をした場合にまで、違法と判断されるのは会社側に厳しい判決に思えますが、今回の判決は、裁判官5人全員一致の意見であり、会社側へ「働く女性」への配慮を強く促したものであるといえます。

中村・安藤法律事務所へのご相談も、会社側としては、ハラスメントをしているという認識はない場合がほとんどです。また、法的な規定を逆手に取って権利を主張するばかりの従業員の方もいます。裁判や労働審判等の大問題へ発展する前に、弁護士へ相談してみるのもよいでしょう。

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